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糖尿病の食事療法 抑えるべきポイント

2020/10/17更新

こんにちは。院長の品川弥人です。

今回は糖尿病の食事療法について、ポイントを3つに分けて簡単に説明します。

1)食事の回数と時間について

食事は基本3食にわけて摂りましょう。1回食事を抜くと、次の食事で血糖値が上がりやすくなるからです。3回に分けることによって食後の血糖値が上がりにくくなります。食事量のバランスは、なるべく朝食を多めに摂り、昼食は平均的、夕食を少なくすると1日の摂取カロリーは同じでも体重が減りやすいと言われています 。また食事パターンが朝方になると食欲が抑えられ 脂肪燃焼量が増加し 、食事パターンが夜型になると 、脂肪代謝が悪くなり 肥満になりやすいことも報告されています。夕食はなるべく早い時間に軽めに食べるようにして、なるべく寝る前3時間は食べるのを控えましょう 。

2)カロリー制限と糖質制限について

糖尿病の食事療法はここれまで一人ひとりに適切なカロリーを設定し 、糖尿病の食事療法のための 食品交換表を使ってカロリー計算を行って、炭水化物、タンパク質、 脂質をバランスよく摂取するのが基本とされていました 。しかし最近は糖質制限を重視する考え方も 一般的になっています 。基本的にはどちらでもしっかり食事療法を実践できれば糖尿病の状態は良くなります 。糖質を全く摂らない糖質制限もありますが 。続けるのが難しい人が多く、 長期的な体への影響はまだ見解が定まっておりません 。 一般的にはゆるやかな糖質制限が行いやすい食事療法かもしれません。
糖質とは炭水化物のことです 。炭水化物は消化吸収されると体の中に糖分になります 。具体的には ご飯、パン、イモ類、穀類ですね 。また砂糖が含まれる甘いもの、ジュース、炭酸飲料などもを減らす、可能ならばやめる方が良いです 。具体的にはご飯やパンなどの主食を半分に減らす方法が良いでしょう。

3)食事内容について

まず、海藻類やキノコ類を多く食べましょう。これらの食物繊維は 血糖値を下げる効果があるからです 。次に野菜や肉魚を先に食べ、炭水化物を後から食べるようにしましょう。それによって血糖値が上がりにくくなります 。飲み物は水やお茶を中心にしましょう。清涼飲料水やスポーツドリンクには大量の糖分が含まれています 。牛乳も1日コップ1杯までが良いでしょう 。お酒は血糖のコントロールが良ければ少量はOKです。ビールなら350 ml1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度が目安で、週2~3回にできるとなお良いと思います。また、可能な限り高度に加工された食品よりも 自然食品を 選ぶようにしてください 。高度に加工された食品とは 糖分や脂肪、塩分を多く含む加工済みの食品のことです 。具体的には菓子パン、ピザ、ケーキ、クッキー、ドーナツ、チキンナゲット、アイスクリームなどです 。こうした食品を食べ過ぎていると糖尿病や肥満だけでなく高血圧、 脂質異常症、心臓病 、癌などさまざまな病気が起こることを示した研究が増えています 。

糖尿病の食事療法は長く続けられるものを無理なく行うことが大事なポイントです 。カロリー制限、糖質制限、どちらでも自分に合ったやり方を選べば良いと思います 。

まずは自分に出来ることから始めてみて 、主治医の先生と相談しながら少しずつ食生活を改善して行くのが良いでしょう。