ブログ

こんにちは。院長の品川弥人です。

今回は糖尿病の食事療法について、ポイントを3つに分けて簡単に説明します。

1)食事の回数と時間について

食事は基本3食にわけて摂りましょう。1回食事を抜くと、次の食事で血糖値が上がりやすくなるからです。3回に分けることによって食後の血糖値が上がりにくくなります。食事量のバランスは、なるべく朝食を多めに摂り、昼食は平均的、夕食を少なくすると1日の摂取カロリーは同じでも体重が減りやすいと言われています 。また食事パターンが朝方になると食欲が抑えられ 脂肪燃焼量が増加し 、食事パターンが夜型になると 、脂肪代謝が悪くなり 肥満になりやすいことも報告されています。夕食はなるべく早い時間に軽めに食べるようにして、なるべく寝る前3時間は食べるのを控えましょう 。

2)カロリー制限と糖質制限について

糖尿病の食事療法はここれまで一人ひとりに適切なカロリーを設定し 、糖尿病の食事療法のための 食品交換表を使ってカロリー計算を行って、炭水化物、タンパク質、 脂質をバランスよく摂取するのが基本とされていました 。しかし最近は糖質制限を重視する考え方も 一般的になっています 。基本的にはどちらでもしっかり食事療法を実践できれば糖尿病の状態は良くなります 。糖質を全く摂らない糖質制限もありますが 。続けるのが難しい人が多く、 長期的な体への影響はまだ見解が定まっておりません 。 一般的にはゆるやかな糖質制限が行いやすい食事療法かもしれません。
糖質とは炭水化物のことです 。炭水化物は消化吸収されると体の中に糖分になります 。具体的には ご飯、パン、イモ類、穀類ですね 。また砂糖が含まれる甘いもの、ジュース、炭酸飲料などもを減らす、可能ならばやめる方が良いです 。具体的にはご飯やパンなどの主食を半分に減らす方法が良いでしょう。

3)食事内容について

まず、海藻類やキノコ類を多く食べましょう。これらの食物繊維は 血糖値を下げる効果があるからです 。次に野菜や肉魚を先に食べ、炭水化物を後から食べるようにしましょう。それによって血糖値が上がりにくくなります 。飲み物は水やお茶を中心にしましょう。清涼飲料水やスポーツドリンクには大量の糖分が含まれています 。牛乳も1日コップ1杯までが良いでしょう 。お酒は血糖のコントロールが良ければ少量はOKです。ビールなら350 ml1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度が目安で、週2~3回にできるとなお良いと思います。また、可能な限り高度に加工された食品よりも 自然食品を 選ぶようにしてください 。高度に加工された食品とは 糖分や脂肪、塩分を多く含む加工済みの食品のことです 。具体的には菓子パン、ピザ、ケーキ、クッキー、ドーナツ、チキンナゲット、アイスクリームなどです 。こうした食品を食べ過ぎていると糖尿病や肥満だけでなく高血圧、 脂質異常症、心臓病 、癌などさまざまな病気が起こることを示した研究が増えています 。

糖尿病の食事療法は長く続けられるものを無理なく行うことが大事なポイントです 。カロリー制限、糖質制限、どちらでも自分に合ったやり方を選べば良いと思います 。

まずは自分に出来ることから始めてみて 、主治医の先生と相談しながら少しずつ食生活を改善して行くのが良いでしょう。

こんにちは。院長の品川弥人です。

このブログを書いている今週末は台風が近づいて暗い空と雨続きの毎日ですね。気温の変化で風邪などひかないように気を付けてくださいね!

さて、今回は糖尿病になる理由、二つの糖尿病のタイプについて説明します。

まず血糖値についての説明からです。
食物から吸収された糖分は血液中にブドウ糖として存在します。これが血糖です。血糖はからだにとって大切なエネルギーであり、細胞が血液中から糖分を取り込んで利用するわけです。

このブドウ糖を血液から全身の体の細胞に取り込ませるホルモンが、膵臓からでてくるインスリンというホルモンなのです。

つまり、インスリンは血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませてエネルギーとして利用するために必要なホルモンで、インスリンが働いた結果として血糖値が下がることになります。

糖尿病というのは
① インスリンの分泌が悪い(膵臓から分泌されない)
② インスリンの効きが悪い(細胞での効き目が悪い)
という二つの理由で起こります。

ではその大元の原因ですが、1. 食べ過ぎ 2. 運動不足 3. 肥満 4. 遺伝
この4つが大きな原因です。まれにウイルス感染などがきっかけで急激に糖尿病が進行することもありますが、ほとんどが食べ過ぎ、運動不足、肥満によるものです。

次に糖尿病の2つのタイプについて説明します。
まずは2型糖尿病。
これはインスリン分泌不全とインスリン抵抗性による糖尿病で、食べ過ぎや運動不足に加えて遺伝的な要因も発症にかかわってきます。すい臓はインスリンを作り出しますが、2型糖尿病では、その量が十分ではないか、作られたインスリンが十分効かない糖尿病です。以前は「インスリン非依存型糖尿病」と呼ばれていました。2型糖尿病は最も一般的な糖尿病で、10人に9人以上はこのタイプです。薬は一般的にまず内服薬を使用しますが、内服で不十分な場合はインスリン注射が必要になります。
つぎに1型糖尿病。
これはインスリン欠乏による糖尿病です。すい臓がインスリンをほとんど、または全く作ることができません。糖尿病の患者さんのうち、1型糖尿病は10人に1人以下です。
若い方の糖尿病もは1型糖尿病が多いですが、年齢に関係なく発症が見られます。
以上、糖尿病の原因とタイプについて説明させていただきました。

ほとんどの糖尿病は適切な食事や運動習慣で予防できます。
美味しいものが多い秋ですが、食べ過ぎや運動習慣に気を付けて、適切な体重を保ち、糖尿病を予防するようにしましょう。

こんにちは。院長の品川弥人です。

1カ月ぶりに新しい動画を作成しました!

今回から数回にわたり糖尿病についての情報発信を行っていきます。

まず初回は糖尿病がどんな病気か?についてです。

糖尿病とは血液中の血糖値高くなる病気です。文字通り血糖値が高くなると、尿の中に糖分がでてくるから糖尿病というのです。では糖尿病になると何が悪いのでしょうか?どんな症状があるのでしょうか?

糖尿病は尿の中に糖分が出るから悪いのではないのです。血糖値が高いことによって血管や神経が障害を受けて、長年放置することで重大な病気(合併症)を引き起こしてしまうから怖いのです。

そして一番知っておかなければならないことは、糖尿病はよほど悪化しない限り自覚症状が全くないことなのです。健康診断などの採血で血糖値やHbA1Cという数値を調べないと状態がわからないのです。

血糖値がよほど高くなると、口渇・多飲・多尿・体重減少などがおこりますが、全く症状がない状態でも血糖値が高い状態を放置しておくと、血管や神経の障害、合併症は進行していきます。

合併症には三大合併症とわいれる、体の中の細い血管が障害を受けることで起こる糖尿病性神経症、糖尿病性網膜症、 糖尿病性腎症が代表的です。これらの合併症は糖尿病になってすぐ起こるのではなく、糖尿病が悪い状態で5~10年経過すると出現してきます。

また、比較的大きな血管、大血管合併症には脳血管障害、狭心症・心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などがあります。これらは糖尿病以外にも高血圧や脂質異常病、たばこなどの影響も強く受けますので、比較的糖尿病が初期の段階でも起こることがあります。

さらには様々な感染症を起こしやすくなったり、多くの合併症が重なることで足が壊疽を起こしてしまうこともあります。

糖尿病とはこのように症状がないうちに進行し、取り返しのつかない病気を引き起こすから怖いのです。そうならないためにも定期的に健診・採血を受けて、糖尿病の指摘があった場合には放置しないで、しっかり管理と治療をするようにしましょう。